リモートエンターテイメントの需要が急速に広がっています。本記事では、最新のリモートエンターテイメントの動向やVR/AR、メタバースを活用した新しい体験についてくわしく解説します。エンタメ企画担当者やテクノロジー愛好者の方々に、時代の最先端をゆくエンターテイメントの魅力をお伝えします。さらに、独自のライブ配信システムを構築したいエンジニアの方々に向けて、高画質・低遅延な配信を実現するImageFlux Live Streamingもご紹介します。

リモートエンターテイメントとは

リモートエンターテイメントとは、従来の対面型エンターテイメントとは異なり、遠隔地からインターネットを利用してユーザが参加する新しい形態です。リモートワークと同様に、ライブや演劇などに遠隔地から参加できる新しいジャンルの文化活動・エンターテイメントです。

リモートエンターテイメントでは、さまざまなオンライン配信プラットフォームを利用しており、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)やメタバースなどの最新技術を取り入れたものまで登場してきました。このような新しいエンターテイメント形態は、従来の物理的な制約を超えて、より多くの人々に豊かな体験を届けるでしょう。

リモートエンターテイメントの実際の事例

リモートエンターテイメントは、すでに多くの成功事例を生み出しています。たとえば、Zoom演劇では7,000人もの観客を動員し、従来の劇場の収容人数を大きく上回る成果を上げました。有名音楽アーティストによる有料のライブ配信も盛んにおこなれており、世界中のファンがリアルタイムで参加できるイベントとして人気を集めています。

さらに、有名人がオンラインゲーム上でイベントを開催するなど、ゲームとエンターテイメントの融合も進んでいます。これらの事例は、リモートエンターテイメントが単なる代替手段ではなく、新たな可能性を秘めた独自の価値を持つエンターテイメント形態であることを示しました。

リモートエンターテイメントが注目される背景

リモートエンターテイメントが急速に注目されるようになった背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大が大きく影響しています。パンデミックによる外出制限や社会的距離の確保の必要性から、従来の対面型エンターテイメントの実施が困難になりました。

この状況下で、エンターテイメント業界は新たな形態を模索し、テクノロジーを活用したリモートエンターテイメントが急速に発展したのです。パンデミックが収束の方向に向かったあとも、リモートエンターテイメントの利便性や新しい体験の価値が認識され、今後も継続的に発展していくと予想されています。

リモートエンターテイメントのメリット

リモートエンターテイメントには、従来の対面型エンターテイメントにはない多くのメリットがあります。
おもなメリットは以下のとおりです。

  • 時間や場所にとらわれずに開催できる
  • 参加人数に制限がない
  • 周りの目を気にせずに参加できる
  • 感染症などの集団感染リスクがない

時間や場所にとらわれずに開催できる

リモートエンターテイメントの最大の特徴は、時間や場所の制約から解放される点です。参加者は自宅やオフィス、外出先からでも、インターネット接続さえあれば参加できます。遠方に住んでいる人や仕事・家事などで忙しい人でも、好きな時間に好きな場所からエンターテイメントを楽しめるようになります。天候にも左右されないため、雨天や荒天時でも予定どおりイベントを開催できるという利点もあるでしょう。

参加人数に制限がない

リモートエンターテイメントでは、物理的な会場の収容人数という制限がありません。オンライン上で開催されるため、理論上は人数を制限せずに参加の受け入れが可能です。人気の高いイベントでもチケットが取れないという問題が解消され、より多くのファンが参加できるようになります。

主催者側にとっても、会場の大きさに縛られることなく柔軟にイベントを計画できるというメリットがあります。

周りの目を気にせずに参加できる

リモートエンターテイメントでは、参加者は自分のプライベートな空間から参加できるため、周囲の目を気にせずに参加できます。コンサートでは思う存分踊ったり歌ったりでき、演劇では我慢せずに感情表現ができます。

とくに、人前で緊張しやすい人や自己表現を躊躇しがちな人にとって大きなメリットです。好きな服装や姿勢で参加できるため、より快適にエンターテイメントを楽しめるでしょう。

感染症などの集団感染リスクがない

感染症などの集団感染リスクを完全に排除できる点も、リモートエンターテイメントの大きなメリットのひとつです。参加者はそれぞれ物理的に離れた場所にいるため、新型コロナウイルスなどの感染症が流行している状況下でも、躊躇せずに参加できました。

主催者側にとっても、感染対策のための追加コストや労力が不要になるというメリットがあります。感染症などのリスクを負わずに、エンターテイメントへ参加できる点は、参加者と主催者ともに利点といえるでしょう。

リモートエンターテイメントのデメリット

リモートエンターテイメントには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

  • 孤独感につながる可能性がある
  • 利用媒体によっては臨場感を得られない

それぞれ解説します。

孤独感につながる可能性がある

臨場感溢れる配信であっても、実際には自宅で参加している状態であるため、ほかの参加者との直接的な触れ合いや会場の熱気を直接感じられません。物理的な距離が、孤独感や疎外感へとつながる可能性があります。

チャット機能やSNSを活用してほかの参加者とコミュニケーションをとり、感動を共有することが解決策となるでしょう。友人や家族など複数人で集まってイベントに参加してもよいかもしれません。主催者としては、VRやARなどの技術を活用して、より没入感のある体験を提供できれば、参加者の孤独感を軽減できる可能性もあります。

利用媒体によっては臨場感が得られない

技術的な問題がある媒体や特定のコンテンツとの相性が悪い配信プラットフォームを使用した場合、音声が途切れたり、映像がフリーズしたりするなどの問題が発生する可能性があります。通信状況の不安定さは、エンターテイメントの没入感や臨場感を大きく損なう原因となるでしょう。

たとえば、高画質・低遅延のライブストリーミングサービスなどの高品質な配信技術を活用できれば、より滑らかで臨場感のある体験を提供できます。参加者側も安定したインターネット接続環境と適切なデバイスやVRやARなどの最新技術の活用ができれば、従来のリモート体験を超える没入感の実現も可能です。

リモートエンターテイメントの最新トレンド

リモートエンターテイメントは急速に進化を続けており、さまざまなジャンルで革新的な取り組みがおこなわれています。オンラインゲーム、ライブ配信、バーチャルライブなど、幅広い分野でテクノロジーを活用した新しい形態のエンターテイメントが登場しています。
ここで紹介するリモートエンターテイメントの最新トレンドは以下のとおりです。

  • ロボットなどの遠隔操作
  • アバターを使った仮想空間での活動
  • 遠隔地間セッション

それぞれ解説します。

ロボットなどの遠隔操作

最新のリモートエンターテイメントトレンドの1つに、ロボットやドローンをとおして楽しむエンターテイメントがあります。具体的には、美術館や博物館のツアーを現地ドローンからの映像をつうじて体験するサービスや、自宅からロボットを操作しリアルタイムで競争や対戦を楽しむサービスがあげられます。

参加者はインターネットをつうじて実際の展示物を見たり、ロボットを実際に動かしたりして、物理的に訪問が困難な場所でも、リアルタイムでの体験が可能です。

参加型の新しいリモートエンターテイメントは、技術の進歩とともにさらなる発展が期待できるでしょう。

アバターを使った仮想空間での活動

VR/ARやメタバースを活用したエンターテイメントも、急速に普及しています。メタバースとはインターネットを利用した仮想空間であり、多人数が参加して自由に行動できるのが特徴です。参加者は自分のアバターをつうじて仮想空間に入り、さまざまなアクティビティを楽しめます。

仮想空間内でのソーシャルイベントやゲームも人気です。参加者は自分のアバターをカスタマイズし、友人と一緒に仮想世界を探索したり、さまざまなゲームを楽しんだりする体験が提供されています。

VRコンサートでは、観客は3D空間内で視点を変えながらライブの臨場感を楽しめるでしょう。
これらの体験は、現実世界では不可能な冒険や交流を可能にし、エンターテイメントの新たな次元を切り開いています。

遠隔地間セッション

音楽や演劇の分野では、遠隔地間セッションという新しい形態のエンターテイメントが注目を集めています。遠隔地間セッションとは、地理的に離れた場所にいるアーティストたちが、インターネットをつうじてリアルタイムで演奏や演技をおこなうものです。異なる国にいるミュージシャンが同時に演奏し、その様子をライブストリーミングで配信するといった方法も可能になっています。

観客にとっても、世界中のアーティストのパフォーマンスをリアルタイムで楽しめるという大きな利点があります。遠隔セッションにより、従来は物理的な制約のために実現が難しかったコラボレーションが可能になり、新しい音楽や芸術表現が生まれるかもしれません。

独自のライブ配信システムを構築できるImageFlux Live Streamingとは

ImageFlux Live Streamingは、独自のライブ配信システムを手軽に構築できるマネージドサービスです。最大の特徴は、高品質で低遅延なライブ配信を実現できる点です。

ImageFlux Live Streamingの魅力は、使いやすさと柔軟性にあります。ストリーミングサーバーの構築などの専門的な知識がなくても、簡単に高品質なライブ配信システムを構築できるため、さまざまな規模や種類のイベントに対応できます。また、WebRTCを利用しているため特別なソフトウェアやプラグインがなくても、ブラウザから簡単に配信・視聴が可能です。

利用シーンの例としては、以下があげられます。

  • ライブコマース
  • ロボットなどの遠隔操作
  • コンサートのライブ配信
  • メタバース空間でのライブ配信

とくに、高画質と低遅延が重要となるインタラクティブな配信や大規模なオンラインイベントでの利用に適しています。

ImageFlux Live Streamingは、エンターテイメント業界だけでなく、ビジネス、教育、医療など、さまざまな分野でのリモートコミュニケーションの質を向上させる可能性を秘めています。

ImageFlux Live Streamingの活用事例

ImageFlux Live Streamingは、さまざまな分野で活用されています。
以下にいくつかの導入事例を紹介しますので、参考にしてみてください。

製造・インフラ・建設

鹿島建設株式会社

ImageFlux Live Streamingを導入し、CFT工事の映像配信システムを開発した事例です。効率的な遠隔監視で労務負荷の大幅な低減を実現しました。

ARAV株式会社

2020年4月に設立されたスタートアップ企業のARAVでは、ImageFlux Live Streamingを利用して、建設機械の遠隔制御サービスを短期間で構築しました。

メディア・エンターテイメント

株式会社オムニバス・ジャパン

専用アプリのインストールが必要の無いスマートフォンでのAR体験が可能な「アプリレスAR®」を独自開発した事例です。

IVSテレビ制作株式会社

ポスプロ業務用の動画共有システムを開発・構築した事例です。編集所に関係者が集まることなく映像の共有ができるシステムの構築を実現しました。

ImageFlux Live Streamingはさまざまな業界やシーンで活用可能であり、高品質なリモートエンターテイメントやコミュニケーションを実現するうえで重要な役割を果たしています。

まとめ

リモートエンターテイメントは、テクノロジーの進歩とともに急速に発展し、私たちの娯楽の形を大きく変えつつあります。時間や場所の制約を超え、多様な体験を提供する新しい形態は、多くのメリットをもたらすでしょう。VR/ARやメタバース、遠隔操作技術などを活用した最新のトレンドは、さらなる可能性をもっており、リモートエンターテイメントは、エンターテイメント業界の新しい形となる重要な要素であるといえるでしょう。

さくらインターネットでは、お客様独自のライブ配信システムを素早く手軽に構築できるマネージドサービスとしてImageFlux Live Streamingを提供しています。
サービスの詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。

構成・執筆・編集

ImageFluxチーム

さくらインターネットとピクシブで共同開発・提供している、クラウド画像変換サービス・ライブ配信エンジンサービス「ImageFlux」のチームです。

2024年10月公開