販売モデルのビジネスにとってECサイトの構築は重要です。しかし、その方法は一つではありません。本記事では、さまざまなECサイト構築方法を比較し、それぞれのメリット・デメリット、ECサイト制作サービスの選定方法や、構築後の注意点なども紹介します。これを読むことで、あなたのビジネスに最適な方法を選び、成功への道を切り開くことができるでしょう。ECサイトをこれからつくろうと考えている人、すでに運営しているが改善したいと考えている人はぜひご一読ください。

【比較表】ECサイト構築方法の種類

ECサイトの構築方法は、ビジネス規模やニーズに合わせて選ぶのが一般的です。
初めてECサイトを作る方や、小規模なビジネスを運営している方には、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)がおすすめです。これは、初期費用やランニングコストが比較的低く、ショッピングサイトの基本的な機能が揃っているためです。

一方、大規模なビジネスや、自由度の高いカスタマイズを求める場合には、ECパッケージやクラウドEC、オープンソース、フルスクラッチ開発といった方法が選ばれます。これらの方法は、費用の相場やカスタマイズ性、システムの自動更新の有無などに違いがあります。
とくに、フルスクラッチ開発は、自由設計が可能な反面、開発費用や運用コストが高くなる傾向があります。構築方法による違いを理解し、自身のビジネス規模やニーズに合った選択をすることが大切です。

(目安) 年商規模 初期費用 月額費用 カスタマイズ性
ASP
(無料・有料)
〜1億円 無料もあり
有料:〜10万円
無料もあり
有料:〜10万円
不可
ECパッケージ 1億円〜 500万円〜 10万円〜 可能
クラウドEC
(SaaS)
1億円〜20億円 国内:19万円〜
海外:0円〜
5万円〜 可能
(一部制限あり)
オープンソース 1億円〜5億円 無料 10万円〜 可能
フルスクラッチ
開発
50億円〜 数千万円〜 数十万円以上 可能

個人でつくるには【ASP】がおすすめ

ECサイトを個人でつくる際には、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)がおすすめです。ASPは、サーバー上に設置されたアプリケーションをインターネット経由で利用するサービスで、ECサイト構築に必要な機能がパッケージとして提供されます。初心者でも手軽にECサイトをつくることができ、費用も月額数千円から数万円程度と抑えられるため、初期投資を抑えたい方に最適です。

ASPの特徴は、制作期間の短さと簡単な操作性です。テンプレートを選ぶだけで簡単にオンラインショップが開設でき、商品登録や受注管理などの機能も揃っています。また、サーバー管理やセキュリティ対策もASPがおこなうため、技術的な知識がなくても安心して運用できます。

一方、ASPのデメリットとしては、カスタマイズ性の制限が挙げられます。テンプレートによるデザインや機能が限定されているため、独自性を追求したい場合には不向きです。また、大規模なECサイトになると、費用が高額になる傾向があります。
しかし、個人での運用を考えると、ASPはその手軽さと低コストから見ても、ECサイト構築の入門として最適な選択肢といえるでしょう。

ASPのサービス例

  • makeshop
  • futureshop
  • BASE
  • STORES
メリット デメリット
  • 簡単に開設できる
  • 技術的な知識が不要
  • カスタマイズ性の制限
  • 大規模な場合は費用が高額になる

カスタマイズ性を求めるなら【ECパッケージ】

ECパッケージを使用したECサイト構築は、自由度の高さが魅力です。ECパッケージは、基本的な機能がパッケージ化されたソフトウェアで、これをベースに自分のビジネスに合わせてカスタマイズできます。構築期間は、カスタマイズの内容によりますが、基本的な部分はパッケージ化されているため、ASPなどに比べて短縮できる可能性があります。
費用面では、パッケージ自体の購入費用と、カスタマイズにかかる人件費などが主になります。しかし、一度購入すれば何度でも使用できるため、長期的に見ればコストパフォーマンスが良いといえます。

ECパッケージのメリットは、ASPよりも自由なカスタマイズが可能であること、そして自社で運用・管理ができることです。デメリットは、カスタマイズには専門的な知識が必要であること、そして、フルスクラッチ開発やオープンソースよりはカスタマイズの自由度で劣ることです。
ECパッケージを選ぶべき場合は、自社のビジネスモデルに合ったオリジナルのECサイトを構築したい場合や、長期的に運用を見越している場合です。また、自社に一定の技術力がある場合にもおすすめです。

ECパッケージのサービス例

  • ecbeing
  • コマース21
メリット デメリット
  • ASPよりは自由なカスタマイズが可能
  • 自社で管理・運用が可能
  • 専門知識が必要
  • フルスクラッチやオープンソースよりは不自由

【クラウドEC】ならシステムを自動更新できる

クラウドECとは、インターネット上のクラウドサービスを利用してECサイトを構築する方法です。サーバーやシステムの運用・管理が必要なく、初期費用やランニングコストも抑えられるため、初めてECサイトを立ち上げる方や、小規模なビジネスオーナーにおすすめです。また、システムの自動更新機能があるため、つねに最新の機能を利用することができます。

クラウドECでのECサイト構築にかかる費用は、初期費用が無料~数万円、月額費用が数千円~数万円と大変リーズナブルです。制作期間も短く、基本的なサイトであれば数日から1週間程度で立ち上げることが可能です。
カスタマイズ性については、一部のテンプレートやデザインの変更は可能ですが、自由度は限られます。しかし、初めてのECサイト構築であれば十分な機能が揃っています。

メリットとしては、低コストで手軽に始められ、システムの自動更新により最新の機能をつねに利用できる点が挙げられます。一方、デメリットとしては、自由なカスタマイズが難しい点や、大規模なトラフィックに対応できない場合がある点です。
クラウドECでのサイト構築は、初めてECサイトを立ち上げる方や、小規模なビジネスオーナー、手軽に最新の機能を利用したい方におすすめです。

クラウドECのサービス例

  • メルカート
  • エビスマート
  • shopify
  • SalesForce
  • CommerceCloud
メリット デメリット
  • 低コスト
  • つねに最新の機能を利用できる
  • カスタマイズの範囲に限界がある
  • ある程度の規模までしか対応できない

【オープンソース】は社内に技術力があるならおすすめ

オープンソースとは、ソースコードが公開されていて誰でも自由に利用、改変、再配布できるソフトウェアのことを指します。ECサイト構築においても、オープンソースを活用することで、自社のニーズに合わせたカスタマイズが可能となります。代表的なオープンソースのECサイト構築ツールとしては、「Magento」「PrestaShop」「osCommerce」などがあります。

オープンソースを利用したECサイト構築の大きな特徴は、その自由度の高さです。プログラムを自由に改変できるため、自社のビジネスモデルや商品特性に合わせたサイトデザインや機能を追加できます。しかし、その反面、システムを構築・運用するための技術力が必要となります。また、初期費用は無料もしくは低価格ですが、カスタマイズや保守運用にかかる人件費や時間を考慮すると、トータルコストはそれなりにかかることも覚悟しなければなりません。

オープンソースのECサイト構築は、自社に技術力があり、自由度の高いサイト運用を希望する企業におすすめです。また、特殊なビジネスモデルや商品特性を持つ企業、競合他社と差別化を図りたい企業も、オープンソースを利用することで自社だけのユニークなECサイトを構築できます。しかし、技術力がない場合や、短期間でのサイト立ち上げを希望する場合は、ASPやクラウド型のサービスの利用を検討すると良いでしょう。

オープンソースのサービス例

  • EC-CUBE
  • Magento
  • PrestaShop
メリット デメリット
  • カスタマイズの自由度が非常に高い
  • 初期費用が安い
  • 技術的な知識が必要
  • 運用保守に人件費や時間が必要

完全に自由設計したい場合は【フルスクラッチ開発】

フルスクラッチ開発とは、ゼロから自分たちの手でECサイトをつくり上げる方法です。特定のプラットフォームや既存のテンプレートに依存せず、自由に設計できるのが最大の特徴となります。
こうした自由度の高さは、企業の個別のニーズに対応するためのカスタマイズ性を確保するためには大きな強みとなります。しかし、その反面、専門的な知識や技術を必要とし、開発には時間とコストがかかります。具体的には、開発期間は数か月から1年以上、費用は数百万円から数千万円に及ぶこともあります。

フルスクラッチ開発は、特定の業種や業態に特化した機能を持つECサイトが必要な場合、または既存のサービスでは満足できない高度なカスタマイズが必要な場合におすすめです。一方、開発には専門的なスキルと経験が必要なため、社内にIT部門があり、十分な開発体制を整えている企業に最適です。また、コストと時間をかけてでも、自社のビジネスモデルにピッタリのECサイトを構築したいという強い意志がある場合にも、適しています。フルスクラッチ開発は、自由度とコスト、時間のバランスを理解した上で選択することが重要です。

メリット デメリット
  • ゼロから完全に自由な設計が可能
  • プラットフォームに依存しなくてもよい
  • 高速でPDCAを回せる
  • 特定の業種や業態に特化できる
  • 本格的な開発チームが必要
  • 初期費用(開発費)が高額
  • 開発に時間がかかる
  • 運用保守にも人件費や時間が必要

ECサイト制作サービスの選定方法

ECサイトを構築する際には、どの方法を選択するにしても、最適なサービスの選定が求められます。選定のポイントは以下の4つです。

  • コストを比較する
  • 機能性を確認する
  • セキュリティを確認する
  • サポート体制を確認する

コストを比較する

ECサイトの制作にはさまざまなコストが発生します。初期費用や月額費用、カスタマイズ費用など、サービスごとに大きく異なるため、自社の予算に合ったサービスを選ぶことが重要です。

たとえば、ASPは初期費用が低い一方で、月額費用がかかることが多いです。また、カスタマイズをおこなう場合はその費用も考慮に入れる必要があります。費用だけでなく、そのサービスが提供する機能やサポート体制を考慮に入れ、総合的に判断することが求められます。予算計画を立てる際には、将来的な運用コストも見越しておくと良いでしょう。

機能性を確認する

ECサイトを選ぶ際には、単に価格だけでなく、そのサービスが提供する機能性も重要な判断基準となります。具体的には、商品登録数の上限、決済方法の種類、デザインテンプレートの豊富さ、マルチデバイス対応など、ビジネスの規模や特性に応じた機能が揃っているか確認しましょう。

また、SEO対策機能やSNS連携、メールマーケティング機能など、集客や販売促進に役立つ機能の有無もチェックポイントです。これらの機能が充実していると、ECサイト運営がスムーズになり、売上向上につながります。ただし、機能が多いほど操作が複雑になることもあるので、自社の運用能力に見合った機能性を選ぶことが肝心です。

セキュリティを確認する

ECサイトを構築する際には、セキュリティの確認が重要なポイントとなります。なぜなら、ECサイトは顧客の個人情報やクレジットカード情報など、非常にデリケートな情報を取り扱うためです。
そのため、情報漏えいなどの事故が起こらないように、しっかりとしたセキュリティ対策が求められます。サービスを選定する際には、SSL暗号化通信が実装されているか、定期的にセキュリティチェックがおこなわれているかなどを確認しましょう。

また、万が一の事故に備えて、バックアップ体制やデータ復旧体制が整っているかも重要です。これらを確認することで、安心してECサイトを運営することができます。

サポート体制を確認する

ECサイトを運営する上で、サポート体制は非常に重要です。とくに初めてECサイトを立ち上げる方や、ITに詳しくない方にとっては、問題が発生した際に迅速に対応してくれるサポート体制が整っていることは安心感につながります。

そのため、ECサイト制作サービスを選定する際には、サポートの対応時間や対応範囲、対応速度などを確認しましょう。また、サポートの種類も重要です。たとえば、電話対応はもちろん、チャットやメールでの対応があるか、または24時間対応しているかどうかも確認しましょう。さらに、トラブル時だけでなく、サイト運営に関するアドバイスやコンサルティングを提供しているかも重要なポイントです。これらを確認することで、あなたのビジネスに最適なサービスを選ぶことができます。

【利用サービス別】ECサイトの構築手順

ECサイトの構築方法は上述のようにさまざまな種類があり、その手順も利用するサービスによって異なります。ここからは各利用サービスにおけるECサイトの構築手順について詳しく見ていきましょう。

ASPでの構築手順

ASPでのECサイト構築手順は、初心者でも比較的簡単に進めることができます。

  1. ASPサービスを選ぶ
  2. アカウント登録をする
  3. ショップの基本設定
  4. 商品登録
  5. ショップを公開する

まず、第一歩としてASPサービスを選びます。価格や提供機能、サポート体制などを比較し、自分のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。
次に、登録手続きをおこないます。基本的には、ウェブ上のフォームに必要事項を入力するだけで手続きは完了します。
その後、ショップの基本設定をおこないます。商品名や価格、画像などの商品情報を登録し、配送や支払い方法などの設定をします。また、自分のショップに合ったデザインテンプレート選びカスタマイズしましょう。ASPでは、専門的な知識がなくても簡単にデザインを変更できるのが特徴です。
その次はいよいよ商品登録です。ショップで販売するすべての商品の情報をシステムに入力します。顧客にPRするために、商品名、価格、商品説明、商品画像、在庫数などの情報は詳しく正確に書きましょう。

最後に、ショップを公開します。これで、あなたのECサイトがオープンします。しかし、公開したからといって終わりではありません。商品の在庫管理や注文管理、顧客対応など、運営にはさまざまな作業が伴います。また、サイトの改善やマーケティング活動も必要です。
ASPでのECサイト構築は、手軽に始められる反面、成功するためには運営の努力が必要です。

初心者向けのポイント

  • ASPのカスタマーサポートをうまく活用しましょう。
  • 少数の商品から始めて段階的に拡大していきましょう。

パッケージやクラウドでの構築手順

パッケージやクラウドでのECサイト構築手順は、初めてでもシンプルに進められます。

  1. パッケージやクラウドを選ぶ
  2. システムの初期設定をする
  3. デザインのカスタマイズをする
  4. 商品登録をする
  5. テスト運用をする
  6. サイトを公開する

まずは、自分のニーズに合ったパッケージやクラウドサービスを選びます。その際、コスト、機能性、セキュリティ、サポート体制などを比較検討しましょう。
選定後は、サービス提供者から提供されるマニュアルやガイドに従ってシステムを設定します。商品情報の登録や決済方法の設定など、基本的な操作を覚えることが大切です。
次に、デザインのカスタマイズをおこないます。テンプレートを利用する場合もあれば、自分で一からデザインする場合もあります。ここでは、利用者の使いやすさを考慮したデザインを心がけましょう。
その次に、商品登録をします。一度に多くの商品を登録するのではなく、最初はテストもかねて少数の商品を登録してみましょう。

最後に、テスト運用をおこない、問題がないか確認します。注文処理や決済、配送設定など、一連の流れをチェックすることが重要です。問題があれば修正し、すべてが正常に動作することを確認したら、サイトを公開します。
これらの手順を踏むことで、パッケージやクラウドを使ったECサイト構築が可能です。ただし、これらのサービスは一部機能が制限される場合があるため、自分のビジネスに最適な選択をすることが肝心です。

初心者向けのポイント

  • パッケージやクラウドを選ぶ際には比較検討を丁寧におこないましょう。
  • 最初から完璧に構築しようとせずシンプルな機能から始めて段階的に拡張していきましょう。

オープンソースでの構築手順

オープンソースでのECサイト構築は、ある程度の技術力が必要ですが、自由度が高く、自分だけのオリジナルなECサイトをつくることができます。一般的には以下の手順でおこなわれます。

  • オープンソースのECシステムを選ぶ
  • ECシステムをサーバーにインストールする
  • デザインをカスタマイズする
  • システムの設定と商品登録をする
  • テスト運用をおこなう
  • サイトを公開する

まずは、自分のニーズに合ったオープンソースのECシステムを選びましょう。MagentoやPrestaShopなど、さまざまな種類がありますので、それぞれの特徴を理解し、自分のビジネスに最適なものを選ぶことが大切です。
次に、選んだシステムを自分のサーバーにインストールします。この際、データベースの設定や必要なモジュールのインストールなど、一定の技術力が必要となります。また、サーバーのセキュリティ設定も忘れずにおこないましょう。
システムのインストールが完了したら、次はデザインのカスタマイズです。テンプレートを利用することも可能ですが、自分だけのオリジナルなデザインをつくりたい場合は、HTMLやCSSの知識が必要となります。
そして、商品情報の登録や決済方法の設定など、具体的な運用に向けた設定をします。これらの設定は、ビジネスの特性に応じて細かく調整することが可能です。

最後に、テスト運用をおこない、問題がないか確認します。ユーザー目線での操作感や表示速度など、細部までチェックしましょう。問題があれば修正し、完璧な状態で公開することが重要です。
以上がオープンソースでのECサイト構築の基本的な手順となります。一見難しそうに思えますが、一つ一つ丁寧に進めていけば、自分だけのオリジナルなECサイトをつくることができます。

初心者向けのポイント

  • 開発者向けコミュニティーやフォーラムを積極的に利用しましょう
  • 構築に必要な知識が足りない場合は外部専門業者の力も借りましょう

フルスクラッチでの構築手順

フルスクラッチでのECサイト構築は、自由度が高く、独自性を追求することができます。しかし、その分、手間と時間がかかりますので、以下の手順を参考に進めてみてください。

  1. 要件定義
  2. 基本設計
  3. 詳細設計
  4. 開発
  5. テスト
  6. リリース

まず、要件定義では、プロジェクトの目標を明確にし、ECサイトで実現したい機能、ターゲットユーザー、予算、スケジュールなどを決定します。この段階での正確な要件の把握が、プロジェクトの成功に直結します。

基本設計では、要件定義を基に、サイトの構造やデータベースの設計、必要なシステムの概略を決めます。ここでは、サイトの全体像を設計し、どのように機能が統合されるかを検討します。
詳細設計では、基本設計で決定した枠組みのなかで、具体的な機能や画面設計、データベースの詳細設計をおこないます。この段階でシステムの詳細が決まり、開発に必要な仕様が具体化されます。
開発では、詳細設計を元に、実際にプログラミングをおこない、サイトを構築します。フロントエンド(ユーザーインターフェース)とバックエンド(サーバー、データベース処理)の開発を進めます。

次に、開発されたサイトの機能やセキュリティ、負荷耐性などをテストします。バグの修正や機能の改善を繰り返し、ユーザーにとって使いやすい、安全なサイトを目指します。
テストを経て、フィックスされたサイトを公開します。公開後も、ユーザーからのフィードバックを受けて、定期的な更新や機能改善をおこない続けることが大切です。

初心者向けのポイント

  • フルスクラッチ開発は高度な専門知識が必要です。開発業者に任せましょう。
  • 開発業者とのやり取りにもある程度の知識が必要です。段階的に勉強しましょう。

ECサイト構築後に気を付けるポイント

ECサイトを構築したあとも、運営と管理には細心の注意が必要です。商品の更新や在庫管理、注文処理など、日々の業務をスムーズにおこなうためのシステムを整えましょう。

また、マーケティング活動も重要です。SEOやSNSの活用、メールマーケティングなどを通じて、サイトへの集客を図りましょう。さらに、システムの運用や保守にも気を付ける必要があります。システムの不具合が生じた場合の対応や、定期的なシステム更新をすることで、サイトの安定稼働を保つことができます。そして、何よりも大切なのが顧客体験です。

運営・管理

ECサイトの運営・管理は、成功のカギを握る重要な要素です。商品の企画や仕入れ、在庫管理など、運営を滞らせないための一連の作業が求められます。また、注文や配送の手続き、アフターサービスの対応も欠かせません。これらの業務は、顧客満足度に直結するため、丁寧におこないましょう。

さらに、売上や利益を分析し、ビジネスの成長を支える戦略を立てることも大切です。これらの作業は手間と時間がかかるかもしれませんが、適切なシステムやツールを活用することで、効率化を図ることが可能です。また、運営・管理を円滑におこなうためには、チーム間のコミュニケーションも重要です。全員が同じ目標に向かって努力できるよう、情報共有を心がけましょう。

プロモーション

ECサイトを構築しただけでは、いくらすばらしい商品やサービスを提供していても、ユーザーは自然と集まってくるわけではありません。そこで重要となるのがプロモーションです。

プロモーションとは、商品やサービスをユーザーに知ってもらい、購入につなげるための広告や宣伝活動のことを指します。たとえば、広告配信やSNSの活用、SEOなどが考えられます。広告配信では、Google広告やMeta広告などを活用して、自社の商品やサービスをターゲットとするユーザーに直接訴求します。

また、SNSを活用すれば、商品の魅力を伝えるだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションも図ることができます。SEOは、自社のウェブサイトが検索エンジンの上位に表示されるようにすることで、自然な流入を促進します。これらのプロモーション活動をおこなうことで、ECサイトの認知度を高め、売上向上につなげることができます。

運用・保守

ECサイトの運用・保守は、一度構築が終わったら終わりではありません。とくにフルスクラッチの場合、システム全体を自社で管理することになるため、定期的なシステムの更新やバグ修正が必要です。

また、サーバーの管理やセキュリティ対策も欠かせません。定期的なバックアップを取ることで、万が一の際にも迅速に復旧することができます。また、サイトの利便性を高めるための改善や、新たな機能追加のためのアップデートも重要です。これらは専門的な知識が必要となるため、技術力を持ったスタッフの配置や外部の専門業者とのパートナーシップが求められます。

フルスクラッチ開発の大きなメリットは、自由度の高さですが、それは同時に高い運用・保守の負担を伴うことを忘れてはいけません。

顧客体験

ECサイト構築後のもっとも重要なポイントの一つが、顧客体験です。ユーザーがサイトを訪れてから購入までの流れをスムーズにすることで、リピート率やコンバージョン率を上げることができます。

例えば、サイトのデザインやレイアウトは直感的でわかりやすいものにし、商品の詳細情報は充実させることが必要です。ECサイトの場合は画像が多いため読み込みに時間がかかり、ページの表示速度が遅くなっていきます。一説によると、ページの表示速度が5秒になると40%のユーザーが離脱するといわれており、機会損失にもなりかねません。
フルスクラッチの場合は自由にシステムを構成できることもメリットになります。「ImageFlux 画像・変換配信エンジン」など、画像CDNサービスの導入も検討すると良いでしょう。

ImageFluxを活用したECサイトの画像表示の高速化の事例については、以下の記事をご覧ください。
「ワタシプラス」の画像表示を大幅に高速化。作業負荷を増やすことなく簡単に実現

まとめ

ECサイト構築には、ASP、ECパッケージ、クラウドEC、オープンソース、フルスクラッチ開発など、さまざまな方法があります。それぞれには特徴と適した状況があり、自社のニーズや予算、技術力に応じて選択することが重要です。また、構築後の運営・管理、プロモーション、運用・保守、顧客体験の向上にも気を付ける必要があります。これらのポイントを押さえ、適切な方法でECサイトを構築することで、ビジネスの成功につながるでしょう。

構成・執筆・編集

ImageFluxチーム

さくらインターネットとピクシブで共同開発・提供している、クラウド画像変換サービス・ライブ配信エンジンサービス「ImageFlux」のチームです。

2024年5月公開